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アメリカ図書館紀行
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附属図書館学術情報課企画調整係長 伊原 尚子
附属図書館学術情報課情報・サービス係長 波多江 貴子
研究国際部国際交流課企画係長 水野 満 |
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2008年8月5日から8月10日に名古屋工業大学の海外実地研修で、アメリカのサンフランシスコ近郊の
・カリフォルニア大学バークレー校(州立大学で日本の国立大学に相当する)
・スタンフォード大学(私立大学)
・サンノゼ州立大学(サンノゼ市と共同で図書館を運営)
という、形態の異なる3つの大学図書館を訪問してきました。
訪問の目的は、図書館先進国であるアメリカの最先端のサービス機能や運営形態を学び、本学の図書館サービスに取り入れるためです。
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カリフォルニア大学バークレー校
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| カリフォルニア大学バークレー校は、カリフォルニア大学(University
of California)の本校で、カリフォルニア州バークレー市に、約150万坪の巨大キャンパスを有する米国最高峰の教育と研究実績を誇る大学であり、学士課程、修士・博士課程ともに州立大学としては全米1位で教職員数14,000人、学生数は34,000人の大学です。(写真1) |
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キャンパスは、いたるところに手入れの行き届いた芝生の広場があり、そこでくつろぐ学生の姿も多くみられ、まさにイメージしていたアメリカのキャンパスライフそのものです。最初に驚いたのは、キャンパスの中にとても多くの(30ヵ所以上も!)図書館が存在することです。そして、その建物はとても立派で、図書館が大学のシンボル的は役割をしているのだなと感じました。(写真2) |
| 私たちは、そのうちの中国語・日本語・韓国語を中心とした東アジアの資料を所蔵しているC.V.
Starr East Asian LibraryとメインライブラリーのDoe & Moffitt
Librariesを訪問しました。アメリカの大学図書館は建物の多くに人の名前が付けられているのですが、これは図書館を建築する際に、多額の寄付した人の名前だそうです。そのほか、館内の部屋の名前、備品の椅子などにも、寄付した人の名前が記されていました。(写真3) |
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Doe & Moffitt Librariesは、地上部分はDoeとMoffittの2つの建物で構成されていて、地下でつながっていました。Moffitt
Libraryには、カフェが併設されていて、多くの学生で賑わっていました。(写真4)
蔵書が充実しているので、近隣の大学からも専用バスに乗って利用者がやって来るそうです。 |
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スタンフォード大学
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| スタンフォード大学は、1891年に設置された私立大学で、サンフランシスコからは約60km南東にあり、地理上、歴史的にもシリコンバレーの中心に位置している。東のハーバード、西のスタンフォードといわれるように、米国屈指の名門校としてその名を世界にとどろかせています。教職員数12,000人、学生数は18,000人の大学です。(写真5) |
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主な図書館は、16館あり、その内のEngineering Library、メインライブラリーであるGreen
Library、ラーニング・コモンズのあるMayer Libraryを訪問しました。
Engineering Libraryは、2010年の開館に向け、建築中であるため、新図書館の計画について、説明を受けました。新図書館では、資料は、印刷媒体から電子媒体へ移行し、雑誌はすべて電子ジャーナルとするそうです。収容できない資料は、120kmほど離れた場所の書庫で保管し、必要になった時に運搬する計画だそうです。
相談をしながら学習できるエリアと、静かに一人で学習するエリアの間には書架をおいて区切るそうです。「静かなエリアに話声が届いて騒がしくなりませんか?」と質問したところ、あまりに騒がしい場合には、学生同士で注意しあっているので、たぶん問題はないとのことでした。
図書館員の方は、利用者が気軽に相談できるように、学生のサークル活動のイベントなどに参加して、顔を覚えてもらうことに努めているそうです。私たちも積極的に見習わなければいけないなと思いました。(へんなやつが来たなんて言わないでくださいね)
Green Libraryではコースリザーブという教員が各授業のために必要な資料を指定する制度がとられていて、指定された資料の場合、貸出期間を短く(2時間等)し、延滞した場合は、1時間につき、1ドルの延滞金を払う必要があるそうです。資料は学期ごとに入れ替えられます。また、ここではチャットシステム「メッセンジャー」を使用したデジタルレファレンスを実施していて、簡単な質問に対してはカウンターのレファレンス担当者が、即時に対応をしているそうです。(写真6)(写真7) |
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| Mayer Libraryにはだれでもが24時間利用できる学習室がありました。当初は相談しながら学習するスペースとして想定していたのですが、話をしていると他の学生に注意されてしまうため、個人利用が主になってしまったそうです。「セキュリティーの心配は?」と尋ねたところ、スタンフォードという町にはスタンフォード大学しかなく、そこにいる人たちはほとんどすべての人が大学関係者なのでとくに大きな問題が起きるとは想定していないとのことでした。大学の警備員の方が巡回しているそうです。(写真8) |
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サンノゼ州立大学
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サンノゼ州立大学は、シリコンバレーとよばれる全米有数のハイテク都市群の中核に位置し、キャンパスは、サンノゼ市街区に立地し、ビジネススクールを含む7のカレッジ(学部に相当)で構成され、学生数約31,000
人、教員数1,688 人を擁しています。シリコンバレーのプロフェッショナルの育成機関としても重要な役割を担っており、特にエンジニアリング(工学)とビジネス(経営学)のプログラムが注目されているそうです。
街の中心地区に建っていること、工業地帯でエンジニアリングのプログラムが注目されていることなど、名工大と多くの共通点があるように感じました。
ここの図書館、Dr. Martin Luther King Jr. Libraryは、州立大学の図書館と市のメインライブラリーが統合したとてもユニークな図書館です。(写真9) |
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1つ建物で、大学の資料と公共図書館の資料が利用できるようになり、大学関係者・市民にとって、非常に便利になったそうです。利用者にとっての利便性を最優先して、統合を行ない、利用者中心の考え方を「San
Jose Way」と呼ぶそうです。
1-4Fフロアが、公共図書館エリア、5-8Fが大学図書館エリアになっていました。公共図書館フロアは、簡単な飲食が可能だそうで、訪問した時もベンチでフルーツを食べている人がいました。大学エリアのパソコンは、大学関係者のみログイン可能とのことです。 一般の人が図書を延滞した場合は、延滞金を徴収されるが、学生の場合は、学習に支障があるといけないので、延滞金はないそうです。
館内の、いたるところに「サンノゼ」「ライブラリー」「人種」「大学」をテーマにしたアートが展示されていました。これらの作品には、プレート表示などがないのですが、これは利用者に「自発的に感じ、考える」機会を与えるためだそうです。(写真10) |
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実際に見学した大学の図書館すべてが、その大学の教育・研究のプログラムにおいて、重要な位置を占めていることを実感しました。また、働いている図書館員の方々もそのために、多種多様な努力をされていることを聞いてきました。この研修で学んできたことを、皆さんにすこしでも還元できるよう、新たなサービスを考えていきたいと思います。
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